— ZICK ZACK

金時山/明神ヶ岳

冷え込みが厳しくなってきた晩秋に箱根の金時山へいってきました。
金太郎には会えませんでした。

 

小田急線の終点である箱根湯本駅は温泉地に不釣合いな近代的駅舎で、まるでシャルル・ド・ゴール空港のようだった。でも鼻にツンとくるこのかほりは間違いなく硫黄のそれで、さすが湯本。日常とは違う場所に来たことを実感出来るが個人的にはすごく苦手な匂い・・・

目当ての路線バス乗り場を探すも、どれに並んだらいいのかいまいちわからない。親切にバス会社の人が誘導してくれていたので訊いてみるも、やっぱりわからない。土地勘のないところではバスって本当に難しい交通機関だなと不安になりつつ、1番人が並んでいるところにとりあえず並んでみることにした。

無事に目的のバス停で下車できたので登山口へ向かうと、このあたりの低さの紅葉がちょうど良い感じだった。この色ってどんな写真でも再現できないような美しさだなと毎回思わずにはいられない。

 

登りはじめてまもなく、途中にあった岩に既視感を覚えつつ(瑞牆山の桃太郎岩ソックリ!金太郎岩??)ぐんぐん登って行く。途中からは道幅が狭いところもあり、人気の山のせいもあって所々で渋滞があった。

そして不思議とアークテリクスのザックを背負った人をたくさん見かけた。いままで一度も山では見たこと無かったのになんででしょ。

山頂に着くと視界が開け、いままで見えなかった富士山がどーんと姿を現した。なるほどこれは絶景だ。今までで1番の大きさ!麓が霞がかっている様子なんかはまるで浮世絵のようでとても美しい。

ぐるりと見渡していると、有名な『天下の秀峰 金時山』看板の『天下の秀峰』部分が無くなっていた・・・自然の猛威か、はたまた人間による悪戯か。

山頂はけっこう広いにもかかわらずすでに人でいっぱいだった。来る途中に追い抜かした団体さんがけっこういたので、まもなくこのあとスゴいことになるだろうと思いすぐに次の明神ヶ岳へ向かった。

少し下ってから明神ヶ岳へ進んで行くと、なだらかな稜線が連なる縦走路が見えてきた。山肌には紅葉した木々が点在していてそのマーブル模様がすごくかわいい。

この稜線の一部は背の高い笹に覆われていて、なんとも童話的な不思議な光景だった。

ススキの群生を見ていると山全体が赤や黄色でなくともこれだけでじゅうぶん秋を感じることができる。市街地ではセイタカアワダチソウとの覇権争いに破れたものの、山間部ではいまだススキの生き残りががんばっている。

その後もけっこう長い間登りが続きかなり疲れてしまったが、振り返った景色は、金時山と富士山を同時見ることが出来るまたもや浮世絵的な見事なもの。

予定よりも少し遅れてようやく明神ヶ岳山頂へ到着。ここはさらに広い場所でゆったりと風景を眺めながら食事をとることができた。ただしこの日は終始霞がかかっていたのだが、後で知ったがどうも大陸からの黄砂の影響だったらしい。

食事が終わる頃にはずいぶん身体が冷えてしまったので足早に下山。

路線バスに乗り込んであとは箱根の温泉!と思っていたらここからが大変だった。 箱根名物の渋滞にまきこまれてバスが一向に進まない。路線バスは観光客や登山客でいっぱいなのでもちろん座れないし、なにより自分は昨晩一睡もしていなかったもんだから、気絶するように立ち寝をしては周りの乗客に頭をぶつけて起きるのを何度も繰り返すという恥ずかしい思いをした。
朝は30分ほどだったのに1時間以上かかってようやく箱根湯本駅に帰って来た。

箱根だけあってすばらしい温泉に浸かりようやく一息ついたところで今日はおしまい。

 

箱根の山は天下の険。すばらしい眺望と雰囲気はさすが。

また来よう。渋滞の無いシーズンに。